
齊藤一郎(指揮者)
Ichiro SAITO, Conductor
1969年千葉県木更津市に生まれ、父の故郷である福井県大野市で育つ。東京学芸大学、及び東京藝術大学音楽学部指揮科卒業。指揮を伊藤栄一、遠藤雅古、岩城宏之、若杉弘、湯浅勇治、佐渡裕、パブレ・デシュパイ、レオポルド・ハーガー、エルビン・アッツェルの各氏に師事。
東京藝術大学在学中に安宅賞受賞。1998年より文化庁新進芸術家海外研修員としてウィーン国立大学などで研鑽を積む。帰国後の2000年6月~2004年3月NHK交響楽団アシスタントコンダクターを務め、この間、サヴァリッシュ、ブロムシュテット、スヴェトラーノフ各氏らの薫陶を受ける。
1997年大阪センチュリー交響楽団(現・日本センチュリー交響楽団)を指揮してデビュー。2002年にNHK交響楽団を指揮。2003年関西フィルハーモニー管弦楽団で定期公演に初登場。これまでに、読売日本交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、九州交響楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、広島交響楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、京都市交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団、大阪交響楽団、岡山フィルハーモニック管弦楽団、オーケストラ・ジャパン、オーケストラ・トリプティーク、東京佼成ウインドオーケストラ、大阪市音楽団、陸上自衛隊中央音楽隊、東京混声合唱団など国内主要オーケストラ、吹奏楽団、合唱団に客演を重ねている。海外においても、セゲト響(ハンガリー)、モラヴィア・フィル(チェコ)、オラディア・フィル(ルーマニア)に客演した他、スロヴァキア・フィル定期公演(2005年)、現地でラジオ放送されたパルドゥビツェ室内管弦楽団(チェコ)定期公演(2007年)などに出演。

2009年4月~2014年3月セントラル愛知交響楽団常任指揮者。2014年4月より同団首席客演指揮者。2014年4月~2019年9月京都フィルハーモニー室内合奏団音楽監督。
古典から現代曲まで幅広いレパートリーを持ち、初演を担当した作曲家も、林光、高橋悠治、野平一郎、権代敦彦、山本和智ら気鋭の若手まで数多く、山田耕筰、信時潔、諸井三郎、芥川也寸志、團伊玖磨、黛敏郎、松村禎三など、日本音楽界の巨匠を再評価する活動も行っている。
ポップスや映画音楽でも「ディズニー・オン・クラシック」、シネマ・コンサートの「ジョーズ」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「パイレーツ・オブ・カリビアン」など高く評価されており、伊福部昭の生誕100年を記念したシリーズコンサートは、NHK「ニュースウォッチ9」で特集された。
CD録音も多く、東京佼成ウインドオーケストラとの共演による吹奏楽コンクール課題曲や、「ブラバン甲子園」シリーズは広く知られている。
これら多彩な活動が評価され、2014年には第9回名古屋音楽ペンクラブ賞を受賞、齊藤一郎がプログラミングならびに指揮をした2016年4月の京都フィルハーモニー室内合奏団第203回定期演奏会が第15回佐川吉男音楽賞奨励賞を受賞した。2015年より越前おおのブランド大使。
2021年の東京オリンピックと同パラリンピックの開会式・閉会式で、山田耕筰《序曲ニ長調》のCD(齊藤が指揮したセントラル愛知交響楽団の演奏)が使用され、世界的な注目を集めた。