奏楽堂の響き2



収録作品

①オープニング・ファンファーレ*/團伊玖磨

②祝典組曲 no.3 行進曲(Marcia in do)*/芥川也寸志

③日本舞曲第2*/松平頼則

④諧謔曲「南風」*/平尾貴四男

⑤フーガによる舞踏曲*/須賀田磯太郎

⑥映画音楽「海軍爆撃隊」より【編曲初演】*/早坂文雄/平原伸也

⑦マルシュ・トゥリヨンファル【編曲初演】*/伊福部昭/今井聡

⑧-⑩シロフォン小協奏曲 マリンバ:片岡寛晶 /黛敏郎/小清水章

⑪交響曲第一番より“第3楽章”【新編曲初演】/松村禎三/宗形義浩

⑫森のファンファーレ ~愛・地球博のために*/北爪道夫

⑬火星年代記より“March”【舞台初演】*/湯浅譲二

⑭フルートと吹奏楽のための「夕鶴幻想」*【初演】 フルート:江尻和華子 /白石茂浩/福田滋

⑮SF交響ファンタジー第2番【編曲初演】/伊福部昭/福田滋

⑯Black Symphony【委嘱初演】*/木山光

⑰スポーツ行進曲 ~NTVスポーツ・ニュース・テーマ【新編曲初演】 黛敏郎/松木敏晃

* 世界初CD化



2006年5月、日本の作曲家による吹奏楽の魅力を多くのファンに伝えた「奏楽堂の響き」。その2年後(2008年)第2回演奏会が上野の森の旧奏楽堂で開催されました。本CDそのライヴ録音です。前回に引き続き今回もレアで、かつ盛り沢山の内容です。これを聴かずして日本の作曲家は語れません!

2007年に発見された伊福部昭のマーチ、同じく伊福部の吹奏楽版初演となる《SF交響ファンタジー第2番》。
北爪道夫が愛知万博のために書いた《森のファンファーレ》。
早坂文雄は、幻の映画「海軍爆撃隊」のテーマ。これも吹奏楽版初演。

ところで、この日のプログラムは「3」の数字に縁がありました。

まず、3人の会から、芥川也寸志の幻の傑作マーチ「マーチ・イン・ド」、團伊玖磨の円熟のファンファーレ。黛敏郎の《スポーツ行進曲》は、オリジナルスコアからの忠実な編曲版の初演、同じく黛の《シロフォン小協奏曲》は、ソリストに作曲家で打楽器奏者でもある片岡寛晶(2008年度吹奏楽コンクール課題曲作曲者)を迎えています。
1907年生まれの作曲家が3人。平尾貴四男は諧謔曲「南風」、松平頼則は「日本舞曲第2」、須賀田礒太郎は「フーガによる舞踏曲」。どれも約半世紀ぶりの再演です。
1929年生まれの作曲家も3人。惜しくも2007年に逝去した松村禎三の《交響曲》、今年80歳となる湯浅譲二のラジオドラマ「火星年代記」よりマーチ、そして黛敏郎は上記のとおり。

新作の委嘱初演も2作品。オランダで1時間に及ぶ特集放送が行われた鬼才 木山光の「ブラック・シンフォニー」。そして、團伊玖磨の弟子 白石茂浩による師へのオマージュともいうべき《夕鶴幻想》。

演奏は、スリーシェルズのJapanese composers archives seriesには欠かせない、福田滋率いるリベラ・ウインド・シンフォニーです。

【写真:明治23年5月に新築された当時の校舎(奏楽堂)】