鈴木行一 略年譜
1954年 2月11日東京生まれ。
1972年 東京都立両国高等学校卒業。
1974年 淡交フィル指揮者となる(~2009.12)。
1975年 東京藝術大学音楽学部作曲科入学。
1976年 東京薬科大学ハルモニア管弦楽団常任指揮者となる(亡くなるまで)。
1978年 《管弦楽のためのクリマ》にて第47回日本音楽コンクール作曲部門(管弦楽曲)第1位。
1979年 《管弦楽のためのクリマ》にてUNESCO国際作曲家会議(International Music Council・パリ)第5位。
1981年 『題名のない音楽会』にアレンジャーとして参加(11月27日収録・翌年3月7日放送「中山晋平その世界」)。以後、膨大な編曲を行う。
1983年 東京藝術大学大学院作曲研究科修了。
1991年 世界陸上東京大会開会式のための管弦楽編曲を担当する。
1992年 バルセロナオリンピック開会式のための《El Mar Mediterrani》(坂本龍一作曲)のオーケストレーションを担当する。
1993年 《篳篥とオーケストラのための森と星々の河》にて第3回芥川作曲賞ファイナリストとなる。
1994年 平成6年度NHK合唱コンクール中学校の部 課題曲「家族」を作曲。
1996年 ヤマハ吹奏楽団による委嘱作《闇の光彩》初演。
1997年 シューベルト《冬の旅》全曲の管弦楽編曲を完成、ヘルマン・プライと岩城宏之指揮オーケストラ・アンサンブル金沢にて初演。
1998年 4月から非常勤講師としてくらしき作陽大学に勤め始める(2007年より、音楽学部教授)。
長野冬季オリンピック参加各国国歌の管弦楽編曲を担当する。
2000年 CD「21世紀の合唱名曲選9 鈴木行一作品集」音楽之友社より発売。
とやま国体・式典演技音楽の作曲・編曲を担当。
2003年 この年から毎年、福島市古関裕而記念音楽祭管弦楽編曲を担当。
2005年 《勧進帳》素囃子とオーケストラ・混声合唱のためにをオーケストラ・アンサンブル金沢にて委嘱初演。
2008年 この年から静岡グランシップ「音楽の広場」管弦楽編曲を担当する(亡くなる1か月前まで)。
2009年 兎束俊之氏の古稀記念演奏会のために《響唱の森》を委嘱作曲。
2010年 坂本龍一作曲《海の道》の管弦楽編曲が最後の編曲仕事になった(亡くなる2週間前)
9月6日、永眠(享年56歳)。
作曲は原博、宍戸睦郎、松村禎三、黛敏郎に師事。
大学卒業後は『題名のない音楽会』での編曲を中心に黛敏郎や松村禎三の仕事も支えた。黛の没後は『題名のない音楽会』のスタッフを辞め在野の作編曲家として活動するが、後にくらしき作陽大学で教鞭を執り、後進を育てた。
作品はドイツ・オーストリア・スイス・ロシア・オーストラリア各地の音楽祭で招待作品として演奏され、管弦楽編曲を行ったシューベルト「冬の旅」は岩城宏之とヘルマン・プライによりヨーロッパ各地で初演され絶賛され、現在も再演を重ねている。
また、テレビ朝日「題名のない音楽会」・NHK「名曲アルバム」「日本テレビ」「横浜みなとみらいホール」「かつしかシンフォニーヒルズ」「豊田市コンサートホール」「福島市古関裕而記念音楽祭」「アジアのスーパー・ガラ・コンサート」の他「オーケストラ・アンサンブル金沢」「NHK交響楽団」「東京交響楽団」「新日本フィル」「大阪フィル」「大阪センチュリー響」「関西交響楽団」「京都市交響楽団」「九州交響楽団」等への管弦楽編曲は数千曲にのぼる。
各地の校歌の作曲、内外の数々の映画・TVドラマの音楽も担当した。
<所属団体>
日本現代音楽協会、(社)日本音楽著作権協会(JASRAC)文化事業委員、日本音楽作家団体協議会(FCA)理事、同文化事業企画立案委員、日本・ロシア音楽家協会運営委員、くらしき作陽大学音楽学部教授。同音楽学部長補佐。
鈴木行一主要作品リスト
管弦楽
管弦楽のためのクリマ(1978)
初演:山岡重信指揮東京フィル、カール・ビュンテ指揮東京藝大管弦楽研究部
ピアノと管弦楽による交響的変容(1980)
未初演
管弦楽のための頌歌(1990)
初演:岩城宏之指揮東京フィルハーモニー交響楽団
篳篥とオーケストラのための森と星々の河(1992)
初演:岩城宏之指揮オーケストラ・アンサンブル金沢
再演:同上、小松一彦指揮東京フィルハーモニー交響楽団、井上道義指揮東京交響楽団他
オカリナとオーケストラのための「輝ける生命の森」(1994)
初演:宗次郎・十束尚宏指揮東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
「勧進帳」素囃子とオーケストラ・混声合唱のために(2005)
初演:ジャン・ピエール・ヴァレーズ指揮オーケストラ・アンサンブル金沢、同合唱団
吹奏楽
CLIMAT(1977)
初演:梅村栄指揮東京ガブリエリアンサンブル
闇の光彩 吹奏楽のために(1996)
初演:森田利明指揮ヤマハ吹奏楽団
室内楽・器楽
秋霖(1975)
オーボエとピアノのためのソナタ(1976)
初演:松本敦史・加藤一郎
Reversed Reveration for Clarinet solo (1977)
初演:森田利明
6人の奏者のための響韻(1977)
コントラバスのためのクンダリーニ(1981)
初演:溝入敬三
ピアノ五重奏曲(1987)
初演:植木三郎、鈴木理恵子、木村恵子、西内荘一、鈴木隆太
弦楽四重奏曲第1番(1999)
初演:澤弦楽四重奏団
弦楽四重奏曲第2番(2000)
初演:澤弦楽四重奏団
11人の打楽器奏者のための喜びの森(2000)
初演:日本打楽器協会、作陽パーカッショングループ他再演
ヴァイオリンとピアノの為のラ・フォリア~凍れる月(2001)
初演:大谷康子、堀由紀子、再演多数
フルートソロのための閉ざされたアリア(2002)
初演:岩崎範夫
トランペットとピアノの為のメロディー 高木規世人君の為に~(2005)
初演:坂井俊弘・手島明子
トランペットとピアノの為の堤の春(2006)
初演:水上哲郎・鈴木理恵子
モノフォニーⅠ~ヴィオラソロのために~(2006)
初演:兎束俊之
NHK伝統和楽団のためのさくらさくら変容(2006)
初演:NHK伝統和楽団
ピアノの為のマタラムの星(2006)
初演:横山健仁
ヴィオラとピアノのための響唱の森(2009・遺作)
初演:兎束俊之、石井克典
声楽
歌曲集「モダン都市」(倉敷初演)、
彼女は テノールとピアノ(2000)
片恋 テノールとピアノ(2000)
立原道造作詩による3つの歌 この闇の中で/ひとり林に……/虹の輪(2003倉敷で初演)
初演:山下敬子、平井修二
校歌
葛飾区立こすげ小学校 (2001)
葛飾区立小松南小学校校歌(2001)
編曲・オーケストレーション
ヘンデル 水上の音楽・鈴木版(1970)
古関裕而 オリンピックマーチ(1986)
シューベルト 冬の旅 バリトンとオーケストラ (1997)
芥川也寸志 佛立開導日扇聖人奉讃歌 いのち(1989)
題名のない音楽会における編曲(一部)
バッハ風寅さん
モーツァルト風初恋
ヴェルディ風矢切の渡し
大オーケストラによるR・シュトラウス風矢切の渡し
古楽器によるバロック風ガラスの林檎
歌で綴る唱和60年史メドレー
島倉千代子メドレー
高島忠夫わが青春の歌メドレー
母の日メドレー
愛のメドレー
コンチネンタルタンゴメドレー
習作
冗談音楽1971
初演:両国高校音楽学部
冗談音楽1972
初演:両国高校音楽学部
映画音楽多数